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ご挨拶

早稲田大学総長人類社会膨張の20世紀を経て、今日「地球圏の存続」の声が叫ばれ始めた。

人類の歴史は創造であり発展である。しかし一方では破壊と汚染の歴史でもあった。

地球・人類の生存が健全に持続し得るか否かが問われている昨今、東京大学を中心に「サステイナビリティ学連携研究機構」(Integrated Research System for Sustainability Science:IR3S)が設立され、本大学も協力校として参加することとなった。

「サステイナビリティ」とは「持続可能性」のことである。

人間社会の成長と発展の中で、食料・水の不足、鉱物・エネルギーなど地球資源の枯渇・生態系の破壊・海洋汚染等様々な陰が生み出されてきた。そして、その歪みが21世紀の課題となって出現している。

この地球システムの崩壊を脱するために、学術研究の世界として「サステイナビリティ学」を構築する必要性が高まっていった。

この様な背景を経て、設立された「サステイナビリティ学連携研究機構」は、これまでの常識とは一線を画す性格を有している。

サステイナビリティ学は、「単一学的学問」ではなく「超学的学問」であると考えられる。

つまりは一大学の研究努力だけで構築し得るものではない。分野を問わない研究・教育により成立する、全く新たな拡大連帯領域体系学なのである。

このIR3Sプロジェクトの協力機関として早稲田大学では、本学の卓抜した研究業績を誇る「政治とジャーナリズム」という観点より、サステイナビリティ学構築に貢献する所存である。

政治的意思決定の主本属は、本来、国民(世論)に帰する。

しかし現在では、そこに「ジャーナリズム」というものが政治と世論形成の間に、介在し、政治的意思決定を行っているとのが実情である。

この、政治―ジャーナリズム―国民の路線の中でいかに持続可能社会実現のために有効に機能させるべきかに、本学のサステイナビリティ機構参画の意義を見出すことが出来ると考えている。
もちろん先程から述べているように、サステイナビリティ学の基本的性格にのっとり全学横断的な体制による研究が必要である。

この理念に照らし合わせて2007年4月に早稲田大学WISPJ推進本部をスタートさせ、研究体制を構築している。

本学は創立125周年を過ぎ、再度原点に立ち戻り、全学を挙げてこの21世紀最大の課題であるIR3Sプロジェクトに取り組んでいきたいと考えている。

白井克彦